1日のルート
電車を利用したので、自転車の活動距離は約141㎞・獲得標高は約2366m。
チェックポイント
◎自転車で44~53番札所を参拝
◎最短ルートを選択(45⇒44⇒46~51⇒53⇒52番札所⇒サイクルトレイン⇒58番札所宿坊)
◎愛媛県松山市の三津浜駅~今治市の今治駅間はサイクルトレイン使用
<個人的に坂がきつかった札所>
- 45番札所 岩屋寺は標高565m
駐車場から更に10~20分階段で登らなければいけない - 44番札所 大宝寺は標高579m
- 52番札所 太山寺は標高72m
- 56番札所 仙遊寺は標高261m
活動
旅館ときわ
昨晩、風邪をひかないようにと、温かくして早めに寝た。
21:58 暑すぎて汗をかいて目が覚める。
再び眠りにつき、3時前に目が覚める。今日はこれまでで1番の大移動。風邪もひいてない。気合を入れるぞ。
3:27 昨日、食堂のお母さんにいただいた手巻き寿司を全て食べる。身体的にも精神的にも元気が出る。
4:20 旅館を後にし62㎞先にある最初の札所を目指す。
道の駅 小田の郷・せせらぎ
6:28 出発から31㎞自転車を漕ぎ、ようやくトイレ休憩。
道の駅の隅にはテントがあり、野宿している歩き遍路がそこから出てきた。
道の駅での野宿問題はいろいろありそうだが、他人や施設に迷惑をかけないことを前提とすればいいのではないかと思う。
「野宿」について、面白い記事を見つけたので参照。
自分もいつか野宿してみたいな。
4月なのに秋を連想させる色味の植物たち。名前は全くわからない。
45番札所 岩屋寺(標高565m)
9:00 宿を出発して4時間40分。ようやく岩屋寺の麓に到着。
ここまで、写真も少なくサラッと書いているけど、移動距離63㎞、獲得標高680mとかなりのハードワーク。
これはやった人にしかわからないしんどさ。別に自慢をしたいわけでは全くなくて、
他人の気持ちや行動を理解するには、それなりの経験と想像力がないといけない。
更にここから10~20分階段を登らないといけない。
地蔵の数が半端ないな。「そういえば地蔵ってたいてい目を閉じている(半目)」ことに気が付いてしまった。(理由はいろいろあるみたいだけどまとめるのは省略)
こういう当たり前のことに改めて気づく瞬間っていうのが、面白いというか変な感覚に陥る。自分にとっては衝撃的なことでも、他人にとってはどうってことない変わりない事実。そのギャップが人間のセンサーの違いを示していて、いかにこのセンサーを増やしていけるかが大事だと勝手に思っている。
緑に青、赤、と忙しくなってきた。
まだまだ地蔵の大群は続く。
とても急なハシゴを発見。
上に何があるかが見えないので、登りたくなる。人間の心理なのだろう。
???
説明の看板もないので、何が置かれているか全くわからなかった。わからなかったから気になって調べた。人間の心理なのだろう。
そそり立つ巨岩の絶壁に点在する岩窟(岩屋)には、いにしえより、多くの僧が籠もり修行を行っていたといいます。本堂そばの岩屋(法華仙人堂跡)には、はしごで上ることができ、巨岩と巨樹に囲まれた境内を一望できます。
岩屋寺ホームページより
仙人堂跡の上方の岩窟には、いつだれがどのようにおまつりしたのか、阿弥陀如来像が安置されていて、江戸時代初期の遍路絵図には洞弥陀と描かれています。大師堂奥の仁王門付近から遙拝することができます。
高いところはめちゃくちゃ得意、というわけでもないけどワクワクする。
ようやく本日1つ目の納経。
次はここから11㎞離れており、標高288m登らなければいけない。ただ、標高159m分は下りであり、ひたすらのぼりよりはアップダウンがあるほうが精神的に楽なのである。
44番札所 大宝寺(標高579m)
1時間かけて到着。
田舎に行けばカカシがあるけど、どこのどんなカカシも怖さを感じてしまう。無機質感が強いからなのかな。
2ヶ所連続で納経所にドライヤーがない。この納経帳にとってドライヤーがないというのはかなりのダメージ。
昨日までの雨が嘘みたいな青空。
風の強さと坂道によってなかなか前に進まない。
なんだか道が怪しくなってきたが、グーグルマップでは徒歩でも車でも通るようになっているので進んでみる。
明らかにおかしい。完全に遍路道だということに気づいたときには時すでに遅し。
今日は本当にタイトスケジュールなので、「来た道を戻って遠回りして次の札所を目指す」という選択をできないのだ。荷物を乗せた自転車を押し、でこぼこな山道を下っていく。頼むからタイヤのパンクだけはしないでくれ!と願い、一刻も早く山道を抜けることを祈りながらひたすら進む。
遍路道に入って30~40分経過し、ようやく普通の道路に抜けることができた。途中すれ違った歩き遍路の方にも、凄い目で見られた。
今までグーグルマップの歩きルートで遍路道を通ることはなかったので、完全に信じきっていたここでの大幅なタイムロスによって、松山観光する予定を全て取りやめた。加えて、1分刻みのスケジュールを立て直さないと本日の宿に間に合わないことが発覚する。
まあこれぞ「旅」というか「修行」という感じがしていいのではないかな。(終わって振り返っている今だからこそそう思えるだけ。その時は本当に萎えたしきつかったし後悔していました。)
気持ちを切り替え爆速で自転車を漕いでいく。
46番札所 浄瑠璃寺(標高95m)
47番札所 八坂寺(標高94m)
48番札所 西林寺(標高45m)
49番札所 浄土寺(標高54m)
橋がグッド。
50番札所 繁多寺(標高68m)
51番札所 石手寺(標高53m)
53番札所 円明寺(標高6m)
52番札所 太山寺(標高72m)
「ひたすら自転車を漕いで、山門を撮り、ロウソク・線香を上げ、納札を入れ、納経していただく」の繰り返しだったので、メモが全く残っていない。だけど不思議と道中のことはしっかり覚えている。(本日もお経を省略させてもらったので「もう一度丁寧にお遍路巡りをしよう」と再度決意。)
これほどまでに急いだ理由は愛媛のサイクルトレインを利用するためである。
リンリントレイン 三津浜駅~今治駅
16:30 やっとの思いで、今治行きの電車が出発する5分前にギリギリ到着。
実はバスや電車など公共交通機関に持ち入れることができる荷物の大きさって決まっていて、自転車はたいてい小さく畳んで「輪行袋」に入れないと輪行できないみたい。
でも、このリンリントレインは自転車をそのまま電車に乗せることができるみたい。
悪いことをしているわけではないけど、ソワソワする感じ、新鮮でたまらんな。
そんな気持ちは最初だけ。自転車で遍路道を通ってしまってからの4時間、ご飯を食べる暇もなく急いで自転車を漕ぎ続けたので、さすがにグロッキー状態。頭がガンガンする。
乗車前に買ったおにぎりとバームクーヘンを頬張り、しばらく休憩タイム。
1時間ほどで松山から今治へ移動完了。9日間、自転車にしか乗っていなかったので、改めて文明の利器の素晴らしさを体感した。
本日の参拝は終了しているのだが、58番札所仙遊寺の宿坊を予約しているので最後に坂道を登りきらなければいけない。
その前に、毎度おなじみの自転車の荷台のネジが緩んでいるのでホームセンターに立ち寄る。
ネジを探しているときに、今夜宿泊する予定の宿坊から電話がかかってきた。
「1人2食付きの方がキャンセルになったので、素泊まりで予約されていますが、精進料理で良ければ食べていただいていいですよ。」
ただで精進料理をいただけるのはラッキーだ。でも確実に足りないとわかっていたのでコンビニ弁当も買っていくこととした。
19:30 山奥にある宿坊なのであたりは真っ暗。恐怖感もあるんだけど、そんなことよりこの1日の疲労感の方が勝り、早くたどり着きたいの一心で自転車を漕ぐ。
宿坊 58番札所 仙遊寺(標高261m)
最後の力を振り絞り坂道をひたすら漕ぎ続け汗だくで到着。
時刻は既に19:50。
お風呂は20時までと言われていたのだが、特別に時間オーバーで入らせていただいた。ありがたい。
お風呂場にフェイスタオルを持っていき忘れたことに気が付いたのは、脱衣所でスッポンポンになった後だ。
さすがに今から脱いだ服を着て、少し離れた自室までタオルを取りに行く気力はない。
幸運にも、手で洗濯しようと、1日使った手ぬぐいを持ってきていたのでそれで済ませることとする。
天然温泉が湧き出るお風呂でゆっくりと1日の疲れを癒す。
いざ手ぬぐいで体を拭いてみると、時間と手間はかかるが全く問題なく体を拭ききることができた。
そう考えると、普段毎日家で使っていたバスタオルが馬鹿らしくなってきた。
人間は暮らしを豊か?ラク?にするためにいろいろな道具や方法を考え付くが、それが無駄な作業になっていることもあるということに気が付くことができた。この経験により、今後の自分の生活の質が上がるに違いない。
20:45 お風呂を上がりようやく夕食。
肉や魚を使わない精進料理を1度は食べてみたかったのでいい機会だ。
もちろん精進料理だけでは足りないので、追加で買ってきたのだが、精進料理と肉料理は本末転倒かも。
思ってた以上に精進料理はおいしかったな。お腹いっぱい過ぎて戻さないかが心配。
今日は本当に時間ギリギリの行動が続き、一分一秒を争った。身体的な疲れはもちろん、精神的にも疲れた。
22:00 たっぷり寝ます。
本日の出費
- 納経代 3000円
- お遍路用品 線香 350円
- 宿泊代 4000円
- 食費 2946円(1790円は地域クーポン使用)
- 電車代 970円
- ネジ 522円
合計 11788円
投票して頂けると幸いです、よろしくお願いします。
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