クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群(Klippel-Trenaunay-Weber症候群)
実は僕は難病指定されている病気を患っており、先日は3ヶ月に1回の定期診察でした。
担当医が変わるみたいで少し不安だったけれど、とても感じの良いDr.で一安心。来年予定している日本一周にも興味を持ってくれて緊張もほぐれました。
「クリッペルの人でそんなに登山してるとか凄いよ。みんなに希望を与えられるんじゃないかな。」
Dr.からそう言われたことで
久々に自分の病気の存在を再確認しました。
今回は自分の病気の状態をまとめてみます。
クリッペル・トレノ―二―・ウェーバー症候群 とは
Klippel-Trenaunay-Weber症候群
標準整形外科学 第13章 315頁
主に片側下肢の脈管系の異常と、その肢の骨・軟部組織の肥大を示す疾患である。脈管系の異常は海綿状血管腫、単純性血管腫、リンパ管種などであり、静脈瘤を伴うこともある。また血管腫は四肢だけでなく内臓に認められることもあり、時に内臓の肥大を伴う。巨指(趾)、進行性の関節拘縮を合併することがある。…。
全1040ページある極厚教科書の中にたった11行しか書いていないということもありなかなか病態が把握しづらいですね。
下のサイトにはもっと詳しいことが書いていますが、、、
昔からこのサイト知っていたのですが、病気の解説ってもちろんだけど予後なども載っていて、それが怖くてざっくりしか読んだことなかったんですよね。この機会にゆっくり読んでみました。
実際の症状
正直、自分の場合はかなり軽症だと思います。
赤あざ(地図状のポートワインステイン)
見た目ですぐに「足が悪いんじゃないか」って思われる特徴の1つです。
小さい頃はよく「火傷をしたの?」とは聞かれていました。ただ、ありがたいことに、このあざのことをあれこれ言われることはほとんど無く、ここまで周りの目を気にせずに過ごすことが出来ました。
腫脹・浮腫・疼痛
左足全体に少し熱感があり、少しむくんでいるような感じです。たまに左足に鈍痛がありますが、そんなに強い痛みではないです。それに伴いしびれ感も若干あります。この病気では痛くて歩けないという人もいるということを聞いたことがあります。
5~6時間の立ち仕事をした後は、アキレス腱の形が全くわからないほど浮腫みます。ここまでなるとさすがに痛みます。
脚長差
脈管異常によって左足の方が発達しており3~4㎝長く、太ももは2㎝ほど太いです。
自分の一番の悩み・つらさはこの脚長差です。脚長差があることでいろいろな弊害が生まれています。
脚長差による弊害
一般的に、脚長差と腰痛の関連や、変形性関節症の発症リスクが高まるなど様々なことが言われています。
自分の場合は、裸足だと立位保持だけでも足や腰の違和感が出現します。
脚長差への対応
骨端線がしっかりと閉じた大学生の頃に骨延長術の話もあったのですが、当時は大学でスポーツをしており、それが当分できなくなのが嫌で手術の話は無しにしていました。
現在、理学療法士として働いているため、脚長差による運動器系への影響は痛いほどわかります。もし、時間がとれるなら30歳までに骨延長術をしたいとも思ってはいますが、これはかなり苦痛を伴うものです。大学の頃に違う病気で同じ手術をした同級生がいましたが、かなり辛かったとのこと。
とはいっても今は上手いこと脚長差に対応しているつもりです。靴には1.5㎝程度の中敷きで補高をしてますし、室内のスリッパにも自作で補高をしています。
脚長差にかかわらず、運動器系の疾患で手術をするか否かについては、本人が病態や手術をすることのメリット・デメリットについてしっかり理解していればあとは本人の自由です。
もう少し時間をかけてゆっくり考えていきます。
対症療法
現在は病気を根治させる「原因療法」ではなく、血管奇形によって血栓を作らないようにワーファリンを服用していいる「対症療法」です。
そのため3ヶ月に1回大学病院に通院し、ワーファリンによる血液凝固因子の値のコントロールが上手くいっているかのチェックを行ってもらっています。
実はこれまでは病気を治す薬が無かったのですが、去年の秋にシロリムスという薬がようやく承認されたみたいで、この話を新しいDr.に教えていただきました。2年前にはこのシロリムスの治験に参加しようかとも思っていたのですが、岐阜大学の研究であり、岐阜まで治験に行くというのが現実的では無いため断念していました。
治験段階から知っていた薬が承認されたと思うと感慨深いものがあります。シロリムスの使用も検討中ですがもう少しDr.と話して考えます。
課題
定期診察でワーファリンを処方してもらっていますがこれは来年の日本一周にも大きく関わることです。以前から相談していたのですが、紹介状を書いてもらって今居る地域の病院にかかるというやりかたがあると教えてもらいました。
ただ、民間病院だと血液検査が外注となるため結果が出るまで1週間かかるかもしれない。そのためその間は遠いところには進めません。致し方ないですが「それも込みの旅」ということにします。
病気と付き合っていく中で気をつけるべきこと
- 内服を忘れず血栓ができないよう数値を維持する
- 蜂窩織炎にならないために患肢の保護(保湿や感染対策)をする
- 患肢の浮腫みや疼痛を最小限にするため極力弾性ストッキングを着用する
- 脚長差による運動器系への影響を最小限にするためストレッチやトレーニングを継続
- 病気に関する知識を学び続ける
これらを続けることがまず大切なことだと考えます。
まだまだやりたいことばかりで
という大きな目標を掲げたので、病気と上手く付き合いながら、それらを達成していきます。
コメント
コメント一覧 (7件)
初めまして。大学3年生で同じ病気を患っている者です。周りに同じ病気の人がいないなか、症状がとても似ていて親近感を感じコメントさせて頂きました。私も左半身、特に左足に症状がでています。左右の足の長さの差でよくつまづいて困っていたので私も中敷をいれて対策してみようと思います。お互いに上手く病気と付き合って頑張りましょう。
コメントありがとうございます。僕も同じ病気の人は周りにいないので、このようなカタチで同じ病気のお話を聞けて元気をもらえます。上手く付き合いながら、楽しんでいきましょう。
初めまして。
私は2年前に見た目でクリニックの先生がKTSを見つけていただいたのですが静脈瘤の検索しかしていないので、どこの血管が悪いのかとか分からず不安を持ってます。日々、ネットで調べていますが今見つけて読んでいて思わずコメントさせていただきました。
元気をもらいました!
私も左の腰から左下肢にほぼ半分赤あざがあり、左下肢に沢山の静脈瘤があります。
もしご迷惑でなければ、個人的に連絡したいです。
コメントありがとうございます。この記事が同じ病気の方に届いており嬉しく思います。インスタグラムのメッセージに送って頂けると幸いです、よろしくお願いします。
お返事ありがとうございます!
インスタフォローさせていただきます!
こんにちは。
何度かブログを拝見していて、今回初めてコメントします。
私の4歳の息子も、同じ病気が左脚にあります。痛みが出たり、レーザー治療も大変で、落ち込むことも多々ありますが、作者様が活発に旅をする様子にとても励まされています。どうも有難うございます。
ちなみに我が家も、息子が海が大好きなので、沖縄に旅行しました!
今後も情報発信していただけたら嬉しいです。宜しくお願い致します。
コメントありがとうございます。
息子さんが4歳となると、まだ病気のことをはっきり自覚できていないこともあって更に大変ですよね。
症状の程度の大小はもちろんありますが、この病気があっても動き回ることができるのが伝わって嬉しいです。
沖縄の海は素晴らしいですもんね、息子さんが楽しめているのがなによりだと思います。